monomemo

文章を書こうキャンペーン中

映画「同級生」

中村明日美子「同級生」の映画を観た。

 
 
原作(同級生・卒業生)は読破済み。ネタバレ配慮なし  以下感想
 
 
 
 
感想をまとめると「フィクションだと感じないくらい自然かつ、リアルなフィクション」。
映画の中身は原作に極めて忠実で、今観ているシーンが漫画のどのページのどのコマなのかがありありと、書き文字まで一つ一つ思い出せるくらい丁寧に描写されている。画的な部分で、ここまで精密に原作を再現しているところが良かった。
そしてこの映画を漫画としっかり差別化したものは「聴覚」だと思う。劇中で鳴る生活音も、音楽もあまりに現実と近くてリアルだった。
合唱練習の音のずれ、ズゴックのバンド演奏、ペットボトルのキャップが転がる音…… 映画のために作られた音というより、元からそこにあった音が聞こえてくるような印象を受けた。個人的にはバンド演奏のシーンがとても好き。
原作から音を丁寧に拾い上げるだけでなく、さらにオノマトペ的な効果音が加えられていて、それをアコースティックギターで作っていたところにもすごく共感が持てる。効果音および主題歌は押尾コータロー氏が手がけており、このように述べている。

主題歌だけでなく音作りに関してもまさにこの発言の通りで、アコギのノイズからきしむ心情が、澄んだ音から青春のまっすぐさが伝わってきて、この映画を「恋愛を写実的にうつしたもの」から「芸術作品」にしていたと思う。そういった意味では映画館で、できるだけ良い音響のもとで観てほしい。主題歌のボーカルがガリレオガリレイの人で、あの声こういう曲に似合ってるからほんと最高。
 
「聴覚」という点では、声優の演技も迫るものがあった。これは主役達だけではなくて、ガヤ一つ取ってもそう。作り物くささが無いとても自然な演技で、どのキャラクターも現実感を持っていた。この作品では佐条と草壁が頻繁にすれ違うので、頭で考えるより先に声が出るようなシーンも結構多い。特に神谷さんがそうだが、そういう心情が先行した声の演技がどの声優もとても上手かった。キャラクターを第三者として見るのが難しくて、2人がすれ違うたびに喉がひりひりした。
 
映画では季節ごとに章が分かれていて、出会いから1年後の夏までが描かれている。あくまで原作の同級生部分のみの映画。
 
 
雰囲気的には秒速五センチメートル的なものを感じる。切ない恋と甘酸っぱさと主題歌の浮遊感、景色の幻想的な美しさなど、共通する点は結構多いような気がした。たぶんああいう作風が好きな人なら初見でもそこそこ楽しめるんじゃないかな?
BLとはいっても純愛に近いのでそれほど違和感はないはず。ただ、ハラセンのシーンとか少しBL特有のご都合主義(にわかに信じがたいシチュエーション主義)がないわけではないので、そういうものが無理な人だとちょっと辛いかもしれない。PG-12だけどディープキスするくらいなのでそこまできつくもない。
 
漫画を読んだときよりも真に迫るものを感じた映画だった。キャラクターが動いて音が鳴るだけで、ここまで現実味ある出来事として感じられるんだなあと少し感嘆。知らない人にはいい映画なので観てほしいし、だめでも原作を読んでみてほしい、そんな作品だと思う。

シエナウインドオーケストラの演奏会に行ってバーンズ氏と須川氏を見てきました

先日、シエナウインドオーケストラの第40回定期演奏会に行ってきました。
今回はオール・バーンズ・プログラムということで、プログラム全曲がJ・バーンズ氏の曲、しかも振るのも本人という豪華さ。バーンズ氏といえば!な曲「アルヴァマー序曲」も演奏される。
しかもゲストとして超有名サックス奏者の須川展也氏も参加するということで、これが学生料金2000円ならもう行くしかなかった。
日本人の現サックス奏者で最も有名なのでは?須川さん。

プロの吹奏楽の演奏会に行くのは初めてでした。今まで行ったのは知り合いの高校・大学の定期演奏会くらい。自分で参加したのも高校の定演くらいです。
以降は全体の演奏、須川さんの演奏、等々の感想と、演奏以外で考えてしまったことの順で書いています。


演奏は本当に、本当に良かったです。これは行く価値が十二分にあったなと思います。学生席はかなり前の方だったので、音がまとまって聞こえにくいはずなんですけど、まとまって聞こえる……不思議なことに。
当たり前のことしか言えないんですけど、プロの基礎土台って本当にしっかりしているんだなあ、と改めて実感しました。か細い音でもちゃんと楽器は鳴ってるし、アインザッツがおそろしいくらい揃っているし、音量の調整が滑らかで自然。
こういう音の飛び方は苦手とか、低音はピッチが上がりやすいとか、色々と楽器の物理的制約ってあると思うんですが、そういったことをまるで感じさせない。楽器を完全に支配下に置いているのが本当にすごい。
曲の中で技術的部分で違和感を感じないので、演奏が本当に音楽としてすんなり聴こえます。これが理想形なんでしょうね……。せっかくならもっと早くに聞いておけば良かった!

席が前4列目のかなり右寄りだったので、サックス・木管低音、コントラバスがよく聞こえる位置でした。今までの演奏会ではもっと中央側の席で鑑賞していたのもあって、今回低音がよく聞こえてくるのがすごく新鮮でした。
コントラバスって全体がffとかだと聞こえないことが多いんですよね。しっかりベース音が聞こえると演奏がかっちりして聞こえて楽しい!木管ソロとかで唯一伴奏をするコントラバスのピチカートが美しい!しかもサックスも近いから須川さんまでたいへん近い!!というところで、なかなかいい席でした。
学生席だしそれほどよろしくない席をあてがわれてるんでしょうが、新鮮な聴き方ができるのは良いかもしれない。

続いて須川さんについて。最初に見たのはロビーコンサートのとき(開場後しばらくして、ロビーでアンサンブル演奏がある)だったんですが、第一印象はすっごいナイスミドル!綺麗にお年を召した方でした。活き活きとしていて若々しい感じ。
その後の演奏中も近かったので結構演奏の様子が見えました。吹いてるときはとにかく楽しそうで、体が音楽に乗って動く、でもアンブシュアとか視線とかそういう部分はすごくピシッとしている。音楽を楽しみつつものすごい集中力を発揮していて圧倒されました。あれは本当に、近くで見ると圧倒されると思う。
というか、これは須川さんだけでなくシエナの方全員に通じるんですけど、どの人もすごく楽しそうに演奏していました。だから見ていて楽しい。曲に感情移入できるというか、各演奏者の動きでさらに曲がよく聞こえてくるんですね。必死さがないのも良い意味でこっちが肩の力を抜いて聞けるのかな。
須川さん以外に個人的に注目していたのがバリトンサックスとコントラバス。バリサクは部活でかつて吹いていたのもあって、コントラバスは前述したように新鮮でついつい見てしまう感じでした。痺れる低音〜〜かっこいい……低音のかっこよさを余すところなく堪能しました!
バーンズ氏は思ったより若くて、落ち着いているけどエネルギッシュな指揮でした。指揮中の左手の動きが良い。演奏も乗せやすそうだなあと感じました。指揮とかジェスチャーはやはり共通言語なんだな…と。

演奏については本当に良くて、本当に行ってよかったと思えたのですが、ちょっと気になったのが運営面についてでした。
当日券等を扱う窓口があるのですがそこの対応が雑、開場前に来た人たちを並ばすなどせずにギリギリまで放置したせいで狭い文京シビックセンターに人がごった返している(その状態で運営の人たちは談笑している)、ロビーコンサートがあることもいきなり知らされ、人がどんどん集まるのでホールに向かう通路を塞いでしまう、ロビーコンサートの曲目紹介も声が小さくてほとんど聞こえない、……と挙げるとキリがないんですが、そういった始まる前の指示出しとかが雑で、正直初めて行った身としてもどうすればいいのか戸惑うことが多々ありました。実際来ていた他の学生なども困っていましたし。高校の演奏会の方がはるかにましなレベルです。それがちょっと気になってしまいました。始めてきた人でも困らないように、あらかじめ動線確保するとか、来た人からどんどん並んでもらうとか、何かしらやってほしかったな……。

あと、これは特に不満とかではないんですが、前列でアンコール(観客参加型で演奏)を聞くと耳がめちゃくちゃ痛くなりますw 音を通すタイプの耳栓があればしていったほうがいいかもしれない。

全体の感想としては、2000円で行く価値は十分ある演奏会だな、というところでした。今度は東京佼成の方にも行ってみたい!自分が演奏したかったけどできなかった曲をやってもらえるのがとても嬉しいので、もっと日本人作家の曲もやってくれる演奏会が増えるといいな。

coaltar of the deepers 「The Visitors From Deepspace」感想

輪るピングドラムのEDや絶望先生の楽曲でも有名なNARASAKI氏の率いるバンド「coaltar of the deepers」のアルバムを借りてきたので感想。1stアルバムっぽいですね。The Visitors From Deepspaceってかっこよすぎか〜、深淵からの来訪者って厨二か〜って感じ。



1:Killing An Arab
必殺仕事人みたいなラッパの後にいきなりデスボイスでイントロの強烈ギャップ演出には文句なしでした(?)。正直これ聞いたあたりで、私はあまりメタルとかが得意ではないのもあって、アルバムを聴き通せるか不安だったんですが、わりとあっさり慣れました。つまりメタル聞かない人でもいける。
デスボイス出してるのもNARASAKIさんらしくて普段の歌声のギャップにもやられる。そしてラッパで終わり。アルバムジャケットの謎装束の来訪を思わせる曲でした。デスボイスオンリーなので他の曲より初聴きにはハードルが高いかも。どうも調べると他のアーティストの曲をアレンジしてるらしいです。どうでもいいけど曲名が物騒。


2:Amethyst
前より少しカラフルな曲になってくる。ギターがノイズノイズしてますけど、騒がしいながら1曲目より色彩豊かになります。
あとNARASAKIさんがデスボイス率を下げて普通に歌っているのでより聞きやすい。この少年みたいな声がやっぱりとっても良いですね!
メロディーとかはむしろ王道ロックバンドっぽくて、ここでディーパーズのハードルはぐっと下がるんじゃないかなあ。
ギターのノイジーな音もいいんですけど、ドラムが打ち込みかってくらいきっちり刻んでいるので気持ちいい。なんとなく金属音が目立つように聞こえます。


3:Your Melody
えっ曲変わったの?ってくらい方向性が似ている…。さらに色彩豊かになって、しかしノイジーさはむしろ増しているような。歪んだギターがバリバリ鳴ってるところにNARASAKIさんのふわふわした声が乗っかっているところが本当に良い。もう少しおとなしかったらシューゲイザーっぽいかもしれない。前曲よりは構成も単純でわかりやすい。


4:Earthing
えっ曲変わったの???(二度目)。リズムの取り方があんまり変わらないのもあって、イントロだけだと曲が変わったのかよくわからないです…。違いの分かる人なら分かるのかもしれない。
今度はボーカルが低くなって、またデスボイスもちらほら。ダーク感が増します。今までと曲調は似ていながら、ボーカルの高低を変えることで印象をかなり変えてきています。でも声が埋もれそうなのは変わらず。
そしてなぜか3分あたりから突然のホイッスル。15秒ほどサンバっぽくなって、気づくとまた元に戻っている。今まで通りふんふん聴いてると違和感が強いんですけど、飽きない工夫でもあるのかもしれない。


個人的一押し!ギターのアルペジオがいい感じに幻想的で入りからかっこいい。曲調はまあ、やっぱりわりと似てるんですけど…リズムの取り方なのかな…。
でも完成度というか、出来がいいと思います。メロディーも心なしかキャッチー。
ふわふわしたアルペジオがずっと鳴り続けながら、ふわふわしたボーカルが鳴る、このふわふわさが夏の陽炎に似ています。どこか現実感がないのでそれっぽく感じるのかも。ふわふわといっても可愛いふわふわというより、夢遊病に近い浮遊感。


6:Snow
夏の次がもう雪。曲調が今までとかなり変わっていて、まずBPMがゆったりします。ギターも前曲に続き優しい音。ボーカルもデス要素なく優しい声。聞きやすいロキノンバンドのゆったりした曲っぽくもあり、でも声質とドラムの金属感とギターの音色がそれと差別化を図っているような曲。もしかしたら一番とっつきやすいかもしれない。夕方の電車に揺られながら聞きたい。
4分あたりから今までのノイジーさを思い出したように騒がしくなりつつ、今までの余韻がまだしっかり残っているのが良い。アナログだけどポストロックとかに方向性が似ているような感じです。ACIDMANにもほんのり似ているかも。
6分半あたりからは今までとも違った輪郭の掴めないノイズ+ほんのりとしたストリングスのような音、これがすごく吹雪を連想させる、前が何も見えないような感じを表していて好きです。これがフェードアウトしていくのもイメージに合っているし、この曲もかなり完成度が高くて聞きやすくていい。


7:Blink
また2曲目とかの雰囲気に戻る。もう、またかよ!!って感じなんですけど、楽器の音とかは前から引き継いでいるように感じられて、ただ騒がしいというよりは残響に近い。この辺もうばりばりシューゲイザーではないかと。サビに来るとそれも少し抜けちゃうんですが…。でもところどころでなるラッパがまたかっこいい。
2分あたりのドラムが目立つあたりがまた他曲との差別化を図っていて好きです。この辺ルミナスオレンジにも似てる。また硬い成分を入れてきたな!と思ってたら曲調が元に戻る。どうもこういう、途中で少しばかり違う雰囲気のフレーズを入れてから元に戻る構成の曲が多いような。
最後のNARASAKIさんの「Ah,Ah〜」って声と輪郭のぼやけたギターと忙しなく鳴るラッパがまたシューゲっぽくて良い。


8:The Visitors
1曲目以来のデスボ+楽器爆音でかき鳴らし+もはや無い拍子、はじめを忘れかけてた頭をメタルでぶん殴ってくる。死ぬほどうるさい(褒め言葉)し、今までの音量で聴いてると耳がボコボコにされる。1曲目同じく、聴いてる人に強く自分たちを印象付ける曲だなと思いました。何より最後の音が割れた笑い声が怖い。すっきり終わらせてくれないというか、予想をまた裏切られる感じで嫌でも印象に残る。


まとめ:ピンドラから入ると激しすぎてギャップにひっくり返りそうになります。ポップさは控えめ、一般受けではなくやりたいことをしました!というアルバム。曲調が似てるものが結構多いので、好きな人は好きだろうしし、ピンとこない人にとってはよくわからない印象を受けそう。いずれにせよ荒削りだと思いますが、その荒さが魅力なんだろうな。







アニメ・ゲームコンテンツに寄り添う渋谷系音楽

最近よく見る渋谷系&二次元コンテンツの話です。

わたしは高校生くらいから俗にいう「渋谷系」類の音楽を好んで聞いています。wikipediaとか見てみるとどんなものかわかりやすいかも?

渋谷系 - Wikipedia

あんまりわかりやすくなかった(というか書かれているように明確な定義がないバズワード)。言葉で説明するのは難しいジャンルだと思うので実例を出してみます。こんな曲聞いたことないでしょうか。

 


Flipper's Guitar - 恋とマシンガン (Young, Alive, In love) - YouTube

 

フリッパーズギターといえば渋谷系のドン(死語っぽい)で有名ですが、こんなかんじのポップな音楽が渋谷系によくあるなという印象です。後はボーカルがあんまりキレッキレしてないことが多い傾向にあると思います。特に男性はあんまり声変わりを感じられない。

ちなみに、フリッパーズギターのボーカルは今コーネリアス名義で活動しています(攻殻機動隊NHKのデザインあ、の音楽担当でもある)。例えばこんな曲とか作っていました。個人名義になったら少し渋谷系からずれて、徐々にポストロック的な方向に向かっていってますが……。


Cornelius(コーネリアス) - Moon Walk - YouTube

 

ところで私が渋谷系にはまったきっかけを辿ってみると、元々は音楽ゲームでした。

中学の頃にポップンミュージック(当時はバージョン14)に出会い、それから高校2年位までずっと入れ込んでいました。ポップンミュージックコナミ音楽ゲームBEMANI」シリーズの一つですね。シリーズ内には他にもいろんなゲームがあって、収録されている曲を時々シリーズの他ゲーに移したり、シリーズ全体でイベントを行ったりしています。

私はポップンから入り、そのままbeatmania IIDXとか、ギタドラとか、DDRとか、最近だとリフレクとか、あちこちぽつぽつプレイしつつ過ごしていて、そのうち曲が好きになってCDを買ったり借りたりするようになりました。そうすると好きな曲を作る・歌う人はだいたいいつもこの人だ、っていうことに気づくようになるわけですが、その中に杉本清隆、wac、常盤ゆうといった名前がある。この人達が作る曲(の一部)が渋谷系に属すること、渋谷系の大手と絡みがあったことなどに気づいたのは比較的最近です。

ポップンのコンセプトにはいろんなジャンルの曲を入れるというものがあります。今もそうかは知りませんが、幅広いジャンルの曲を、という目的があってか定期的に渋谷系のポップスも収録されていました。

例えばどんな曲があるかというと、

こんな感じです。(もちろん他にももっとある)

これを見るだけでも渋谷系の大手が大勢曲を提供していることがわかります。

沖井さんとか北川さんとかヤスタカさんとかは非常に有名です。中田ヤスタカといえば今はきゃりーぱみゅぱみゅとかPerfumeでポップかつエレクトロといったイメージが強いですが、かつては渋谷系ポップスをメインに作曲していたりします(CAPSULE初期に多い)。その頃の手癖的なものがきゃりーぱみゅぱみゅの曲なんかには結構残っている気が個人的にはしています。

あとどうでもいい話で、I really want to hurt youの曲名の元ネタはdo you really want to hurt meって曲らしいですね。こっちは特に渋谷系というほどではないですけども。

 

こんな感じで、ポップンはじめBEMANIシリーズは実は渋谷系の隠れた宝庫なのです。

その理由としては、

「初期スタッフに杉本清隆がいたこと」

BEMANIシリーズ開始当初は渋谷系の全盛期だったこと」

「wacの学生時代の知人で渋谷系に行った人が多いこと」

音ゲーに曲を提供するアーティストはたいていスタッフの知り合いであること」

の4つが挙げられるんじゃないかな~と私は思っていますが、それに加え大きな理由として

「ポップスなのでウケやすい=ゲームに入れやすい」

というのがあるのではないでしょうか。(一部除き)基本的に渋谷系は耳触りが良く、メロディもキャッチーで追いやすい。旋律を叩かせる音ゲーとしてはプレイしてて楽しい曲を入れることが必須ですし、渋谷系はそういうところにぴったりくるジャンルだと思います。

 

さて、そんな渋谷系も2000年以降はwikipediaにもあるように、有名バンドが解散するだの分裂しただのなんだのと衰退しました……が、ここ数年渋谷系はまた盛り上がっています。特にアニメソング・キャラクターソング・声優の持ち歌といった二次元コンテンツで、渋谷系はどんどん盛り返してきました。

特筆すべき出来事としては花澤香菜のCDリリースでしょうか。作曲を手がけているのが錚々たる渋谷系大手ばかりという大変豪華なCDです。1stアルバムを見ても、中塚武、北川勝利、カジヒデキ、沖井礼二……と、顔ぶれが豪華。なので、花澤香菜のアルバム曲の曲調が好きな人なら渋谷系も好きな可能性が大いにあります。

他には、(いうならビッグバンド系ですが)きんいろモザイクのED曲「Your voice」も挙げられます。元々この曲は前述もした中塚武という人のもので、ボーカルも渋谷系でぶいぶい言わせた(死語)、沖井礼二も参加していたバンドCymbalsのボーカル土岐麻子でした。きんいろモザイクの曲はこれのカバーになっています。


Takeshi Nakatsuka - Your Voice(sings with Asako ...

あとは最近ではないですが、北川勝利もといroundtableはこういった業界によく曲を提供していて、例えばNHKにようこその曲とかが挙げられます。


NHK ni Youkoso! - Puzzle (Full Version) - YouTube

 

そして最後に、最近借りてきたアイドルマスターのベストアルバムに収録されていた、高槻やよいの「ゲンキトリッパー」も、よく聞いてみると完全に渋谷系です。作曲者自体もCymbalsを意識して作ったと言っているとかいないとかいう話ですね。

 


アイドルマスター 高槻やよい ゲンキトリッパー - YouTube

 

参考までに。Cymbalsの曲というと以下の様な曲が有名です。


cymbals - 午前8時の脱走計画 - YouTube

 


cymbals - My Brave Face - YouTube

 

というわけで、かつて流行してから消えたと思われた渋谷系音楽ムーブメントは、今アニメ・ゲームといった(サブ)カルチャーコンテンツの中に居場所を変えて生き続けているのではないか?といった話でした(といいつつ、自分の好きな音楽についてのささやかなマーケティングも兼ねる)。アニメコンテンツ好きな人、もしかしたら渋谷系にハマる素質があるかもしれないので、ぜひ手を伸ばしていってもらえたらなあと思います。

P3Movie(Falling down)見てきた感想

タイトルの通りです。見たこと前提の感想なので多分ネタバレを含みます。
見てから数週間も経ってしまったし文章がダラ下手長くなった。



・はじめの広告
アニメ映画だとアニメ系の映画広告にしてくれるの優しいな……っていつも見てます。
コードギアスの映画、そういえば主人公が入野自由だったことを思い出して予告見てたんですけど、最後に悪い人の声出してるの聞いたらすごく満足しました。遊戯王ZEXALのブラックミストみたいな役をノリノリで演じる入野が好き。
あと何かの実写映画の主題歌がゲスの極み乙女。だったんですけど、名前見るまでセカオワだと思ってました。初めてゲスの〜を聞いたときも声質似すぎかよと感じたんですけどそれにしたって似すぎだよ。


・初っ端から視聴者を置いていく件
いきなり主人公群vsストレガでどんぱちやっててなんなんだこれは……
前回記憶違いでなければ、噴水のところで順平とチドリが会うところで終わってたと思うんですが、もう順平利用されてるし、信頼度上げる描写ないままにここまですっ飛ばされるとは考えてなくて頭が追いつくのに時間がかかりました。そこちゃんとやらないでどうするんだ。
順平がチドリに惚れるシーン自体は後半で回想という形で出てきたとはいえ、置いてきぼりしすぎてて苦笑。本当に既プレイ者以外お断りの雰囲気ですね。それならOVAでいいし、見てても映画じゃないと!という熱い映像は少ないというか、お金あんまりかけられなさそうな映像見てると少し寂しい。静止画+BGMでカメラ動かすシーン見るたびエロゲとかギャルゲーとか乙女ゲーとかそういうOPかよと言いたくなる。
この時点でファルロス+結城掛け合いもといスーパー石田タイムが始まってて面白かったです(こなみ)。


・幾月の突然の死(例のトゲトゲ)
シリアスなシーンだとはわかっていても今まで対して目立ちもしていなかった幾月が顔芸始めるとすごく面白い。展開も知っていたしギャグシーンとして見ていました。展開知ってなくてもあんまり重大な感じがない(明らかに何かまだ控えてるとわかる雰囲気)シーンだと思います。
唯一怖さがあったのはアイギスの自律性が失われたところ。結城に絶対的信頼を寄せるアイギスでもこうなる可能性があるというのが怖い。おそらく結城にとって頭で理解できてもショッキングだったんじゃないかと思いました。


・ハイパー石田タイム
綾時&結城ってこんなに絡むんですね。高いハイ石田と低いロー石田(ここにファルロスが入ると生き生きショタ石田)と石田一人三役を堪能させていただきました。
ゲームはちょうどこのあたりで友人に返してしまったので細かい流れがわからないんですが、映画、無理やりコミュの対象を出しまくり→負債を作らせ→綾時とくっつける、流れが力技すぎる。本編ストーリーに田中社長が出てくるイメージがないので映画オリジナルストーリーだったんですかね。力技だとは思うけれど綾時に結城が徐々に徐々に心を開くのは流れも丁寧で良かったんじゃないかな。
あと修学旅行の温泉のシーンが笑いをこらえられなくて本当に辛かったです。映画館静まり返ってたから声出せないのが余計「笑ってはいけない」を思い出させて辛かった。緑川&石田&鳥海だと思うとみんな名キャストだし、そりゃ臨場感のある演技がうまいわけなんですけど、真に迫っていて(特に緑川氏)お腹にダイレクトに来ました。あそこだけもう一度見たいなあ。


・チドリと順平のメンヘラブストーリー
改めて見て思ったんですけど、チドリめっちゃメンヘラ女子っぽいですね!!リスカしてるから今更だけど!!
悩みは他メンヘラ女子より多少高尚かもしれませんが、行動や精神のぶれ方がメンヘラ女子すぎて(特に寝返ったあたり)いたたまれない気持ち(?)になりました。2人がそれはもう熱く気持ちを伝えながら攻撃しあうシーンありましたけど、自分が制御できない位感情が爆発して暴れる彼女を宥めすかし押さえ込む彼氏にしか見えませんでした。だいたい強い言葉を与えてギュってしとけばなんとかなるよね。半分冗談とはいえ、正直なんでもメンヘラ的だなあという気持ちで作品見ちゃうのは良くないという自戒もあります。
順平の代わりに自分が死ぬシーンのチドリ、最期の言葉がじーんときて少し泣きました。冷静になってみると、お互い好きあってたことに今更気づいて、でももう間に合わなくて、相手だけには生きていてほしくて(でも順平にはなにもできない)、通じたと思ったら終わらせられる順平の気持ちを考えると切ない。
チドリと違って順平の方が精神は普通に出来てるから、だからこそ相当引きずっても仕方なかったと思います。その場でとっさに怒りに方向転換して戦った順平、たぶんそれしかできなかったんですよ。もしここでストレガが何もせずいなくなっていたら、逆に順平ほんとに苦しくて辛くてたまらなくて気持ちの行き場がなくなっていたんじゃないかな。
正直恋愛ストーリーとしては要約文を見せられたばりに細部を描かず雑ではあったんですが(映画の見せ方の影響で)、声優の演技の良さにカバーされてことなきをえたかなと思います。




ここから割と内容全体のまとめた感想です。「ジュブナイル作品は本題に精神的問題ばかり使う」よねって話
この前見たピンドラもペルソナ4もそうなんですが、ジュブナイル作品だと、当事者達(十代達)にとっての重要な問題はほぼ精神的なものに終始しますね。それは例えば複雑な恋愛関係でもあるし、愛情の与え方でもあるし、自己理念の確立でもあるし、承認欲求の解消法でもあるし、自分は周りの世界をどう受け取るか、という問題でもあります。
言い方を変えれば、当事者にとって問題はどこまでも内面的なもので、例えば社会制度などのルールに刃向かうとか、正義の味方になって悪役をただやっつけるとか、そういったところがあまり重要になりません。むしろ、悪役とは誰か?わたしの正義は何か?ということを悩ませるようなものが多いです。そういう意味ではダンガンロンパって作品は比較的当事者の問題意識は社会的なところにあるのかな、とも思えます。(とはいっても希望を信じて賭けに出るか諦めるか、と言うところはメンタル的だ。)
対極にあるのは例えばサイコパス。あれは社会構造や規範に疑問を投げかけていく作品で、もちろん自分のルールとはなにか、シビュラシステムは善なのかを考えることにはなるんですが、やはり大きな主題は社会にあって、そこにはこうなるまでに至った社会の状態≒構成員の状態の問題も付随してくる、という形になると思います。
言ってみればこれは当たり前のことで、基本的に十代の子供は大人のような社会性を必要としない(義務に縛られない)し、思春期から大人になる最中だから内面こそが大きな悩みとなる。

P3Mにおいて、結城の精神も起承転と変化しているところがあります。
#1は結城の精神が実質視聴側から見れば生まれる瞬間というわけで、生まれたばかりだから、他者との関わり方がよくわからない。それでも好奇心や相手からの好意、あるいは成功体験をきっかけに人に近づこうとするようになる。
#2でそれがピークに達します。自分に心から信頼・愛を与えてくれるアイギスと出会い、寮のメンバーも最多となって、目的も確実に消化出来ている状態が続く。よくわからないけど今は充実しているし、自分は世界(≒他者)のためになっている自信がどんどん増してくる。ここまでが承とすると、ストレガの存在と荒垣の死がそれをひっくり返す転になり、ラストシーンで楽しく明るい強いところから引きずり落とされて、関わっていたモブでは無い人の喪失で怖くなる。
#3では綾時が現れるまで下り坂が続き、今まで拠り所になっていた他人と関わることによる安心感、正しいことをしているという自己肯定感がほぼ崩される。結城はここで、「プラスに精神が傾くと、失ったときの辛さはゼロどころでなくマイナスになる」から「ゼロを続ける方が辛くない」という結論に至るわけですが、こういうことって人間関係で一度は誰もが考えることだと思います。親友を失うとか好きな人に別れを告げられるとか。
数年前に日記にわたしも似たようなことを書いていたので、見ている間うーんなるほどという気持ちでいっぱいでした。人生+-で表せるとしたら、+20を経験したら-20を経験することを覚悟しなきゃいけないとわたしは思います。逆も言えるけど。より楽しいことを経験したらそれを失ったときより辛いのは当たり前ですかね。
結局、結城は綾時と過ごした結果、そういうメンヘラい考え方をやめ始めて、順平とチドリのやりとりを見てから完全にそこから脱します。あとタルンダ先輩との卓球も関与はしているかも。今回の映画でかなり好きなシーンが、チドリに少し打ち解けてもらえて浮かれる順平と結城が会話するシーンでした(伝わるだろうか)。談話室で順平が「お前そんな考え方でつまんなくねーの」って言うところ、順平たまには(?)いいこと言うなと。(ゲームでの順平は文句ばっかりの割りに免罪符無さすぎる感じがダメであんまり好きじゃなかった)
見ながら思ったことなんですけど、人生を積分値で見るのは安易な考えで、むしろ人生価値はそういう感情の絶対値の積分値で見る方が適しているんじゃないかと。RPGの経験値的な目線で見ていきたい。怖がってなにもしないなら死んでるのと同義です。そう考えると、デスである綾時が生に満ち満ちてるのは少し面白かった。

結論を言うと、一作品としてはぶっちゃけあんまりな映画だけど、P3のストーリーを受け取り直す手段としては正解な映画でした。やはり主人公が1キャラとして描かれるという点では映像や小説は強い。次作でラストなので、せっかくだし最後まで見に行こうと思います!まだ見てない人は先に何らかの形で原作を一周してから見ることをオススメします。

SideM ST@RTING LINE-01,02届きました

4/15なので昨日ですが、ついにTHE IDOLM@STER SideMのユニットCDが2つ発売されました!!!オリコン10位以内に2つとも入ったらしいので本当に安心しました。おめでとうございます!
2ヶ月くらい前のニコ生で発売発表があって以来ずっと待ち続けていたので当日は本当に感無量でした……まずはJupiterとDRAMATIC STARSですが、今後も順調にS.E.Mとか彩とかHigh×Jokerとか、諸々のユニットもデビューしてくれるといいなあと切に思います。イチオシキャラは何人かいますが基本315プロ箱推しなのでどのユニットが出てもぎゃーぎゃー騒いでいそうだ。
予約特典、アイドルだしということでブロマイドにしました。今後もブロマイドで統一していこうと思います。
あとシリアルコードでもらえるSR+、ドラスタはゲームを始めるきっかけにもなった桜庭薫、ジュピターはクリスマスイベントあたりから好感度高めの御手洗翔太にしました!2人ともキラキラしていてアイドルって感じでたいへん尊いです。素敵だ〜〜


というわけで各CDの感想を簡単に残しておこうと思います。まず木星から。

01. BRAND NEW FIELD

961プロ辞めて315プロから再出発!という感じが曲名や歌詞からバリバリ出ていて本当によかった。
試聴で1番だけ何度も聞いてたんですけど、聞き違いがそこそこあったことが判明してちょっと笑いました。in mind部分は多分わざとだと思うんですけど、翔太のサビ前「一緒なら頑張れるよ♪」のところ、みーちとーなっるーって聞こえてたのに実際はReach for the dreamだったみたいな。
それと、サビ前三人の一言ボイスが入るとこですけど、言葉のチョイスがすごくグッと来ました!!翔太や北斗は語尾に♪や☆がついてるんですね、それもお茶目でかわいかっこいい。北斗の声の響きがド級のタラシって感じでずるい。なにより冬馬の楽勝!だぜ!がきちんと入ってるところは流石押さえてるな〜と思いました。ライブとかでもすごく盛り上がりそうな要素だ。
曲自体も個人的に好きで、1番までのメロディをアレンジしつつずっと最後まで行く曲調はなかなか無い感じで良かったです。完全に別メロが出てこないというか。

02. Jupiterドラマパート

若干説明ぽさというか、脚本ぽさが見えてしまう部分があって(特に冬馬の長いセリフ)、何度か現実にかえりました。まあAlice〜のCDのドラマもそんな感じだったんでボイスドラマだと仕方ないのかもしれませんが。翔太が前よりイタズラ控えめになったのがなんだか成長を感じられてかわいいですね。
というかこいつら路上ライブとかやってたんだなあ…SideMの通常営業は本当に誰かしらがやっているということなんだろうか…  元有名アイドルの路上ライブが現実であったら相当ヤバそう。

03. Planet scape

ぶっちゃけ試聴時点であまりにしっとり系でどうなるんだろうと思っていました。入野自由が歌ってるしっとり系に始まり方そっくりだなあとかいらないことも考えていましたが。個人的にバラードではそこまで好きになる曲ってなくて、これもそうならないか不安で。いざ聞いてみたら杞憂だったし、むしろかなり好きな曲でした。BRAND NEW FIELDといい木星はすごくアイドルっぽくいい曲与えられてて嬉しくなります。キャラソンとアイドルソング自体その性質上似るんですけど、キャラソンではなくアイドルとしての歌を与えられてるな、と個人的には思いました。嬉しい。
バラードだと北斗の伸びのいい声が気持ちいいです。でも驚いたのは翔太の歌い方で、BRAND NEW FIELDではあんなに元気に歌い上げたのにこっちではここまでしっとり歌えるのかと、幅広くて感動しました。怖くなって〜、の部分が悶えるほど良かったです。Aliceの頃より中の人の歌上手くなってる気がします。まあこれは北斗もそうだと思いますが。それにしても翔太はキャラ感をしっかり残しつつ歌ってるので入り込めていい感じでした。ドラマパートでも思ったんですけど、翔太って時々声が掠れるときがあって、それがチャームポイントになってますよね。あざといなあ(わざとではなさそうですが
あと、サビというかサビ前というかのThere is my hope…が本当にいいメロディで個人的にとてもツボでした。気分が最高潮になります。サイリウム振っていたい。

04. Jupiter×ドラスタドラマパート

自己紹介とかベタベタだな〜wとは思いましたが、キャラの色が濃く出ていて聞いてて楽しかったです。特に北斗のキャラがすごくリアルに溶け込んでいていいですね。年上の桜庭にも余裕を漂わせつつうまく声をかけられるのは北斗すごいなーインテリなだけはあるなーと感嘆しました。
しかし桜庭はなかなかむかつくキャラだなwまだデビュー当初なのもあるんでしょうけど、今の寸劇とかでは見られるデレ部分がほとんどないのでなかなかキツいキャラでした。これはてんてるもキレるよなという感じ。でも、姉の話に触れられたときの声のトーンの変わり方、すごくそれっぽいというかリアルでした。あそこの演技は本当に良かったです。
料理の話になってから冬馬がすごくイキイキしていてなんだか笑えました。一応ドラスタは全員年上なので敬語を使うところも根が真面目な冬馬らしくていいですね。
どうでもいいけど山村の話題が出るところでなんか変な笑いが出ました。CDの315プロでは賢ちゃんであってほしいな……

05. DRIVE A LIVE(Jupiter ver.)

いよいよ315プロ共通テーマ曲!試聴部分以降がなんだか不思議な展開を始めているという印象でした。2番とか時々間が入るんですね。個人的に2番のSideM部分でMの発音をえーむと伸ばされるのはなんか合いませんでした。いい曲なんですけどね。
315と叫ばせるところがあるのがなかなかニヤニヤできて良かったです。ライブでみんなで315って叫びたい〜〜!2番では掛け声がsayになってるのも燃えますね!広いところで大音量で聞きたいなあ。それにしてもJupiterが歌ってる方はこなれた感じがありますね!wキャリアの差かな。


全体的に木星は流石元々大手アイドルなだけあるなと感じました。なんというか全体的に余裕が感じられますね。かっこよかったです〜再出発おめでとう。。
では続いてドラスタのほうの感想も。

01. STARLIGHT CELEBRATE!

スタセレ!どうでもいいけどセレブレイトと聞くとcan youほにゃららのほうがイメージされてしまいますね。
試聴の頃から思ってたんですけど、みんなすごく楽しそうにのびのび歌ってますね!!純度100%って感じで、自分を良く見せようみたいなところはいい意味でなくて、素で楽しく歌ってます!って雰囲気がすごく好きです。
それにしても桜庭は歌がうまい。うまいというか、うまく聞こえる歌い方だし声質なんでしょうね。スーパーノヴァとか言われるだけはあるんですね……。
あとは、歌詞の割り当てが絶妙でした。異議とか証明という言葉はてんてる、飛び立つ、take offを言わせるのは翼、桜庭は言葉自体はそこまで特別ではないけど、与えられる歌詞はちゃんと背景を踏まえられているし、すごく愛を感じました。そして聞いていて本当に、3人が現実に存在していそうな感じがしてくる。もう全力で応援したくなってしまう〜

02. ドラスタドラマパート

インタビュー形式なのはアイドルっぽくて良かったと思います。それにしてもインタビューでここまで喧嘩するてんてると桜庭は年の割に大人気ないのではないか……。とにかく声がつくと喧嘩がガチっぽく聞こえて、翼の気苦労が現実味を帯びてくるんですよね。すごく同情しました。おっとり声がまた仲裁にぴったりなのがなんだかせつない。
しかし桜庭がちょくちょく言葉につまるところがあって、ギャグも担当させられるキャラだったんだなあと目から鱗でした。こんな面白い声も出せるんですね!なんだか意外でした。中の人頑張ってるなあ。
あとは全体的にてんてるが演技っぽいというか、そこの人間の会話録音したって感じよりは、脚本を演技らしく喋っているように聞こえました。ちょっと残念といえば残念でしたが、キャラ的にも抑揚をつけないといけないので、そういうところが目立ちやすいところはありそうです。今後どうなっていくかに少し期待してます。ラジオとかで演じ慣れていくとすごくぴったりきそうなんですよね。

03. DRAMATIC NONFICTION

2番以降の歌詞がなんというか、上品な色気みたいなものがあって、ドギマギして聞いてました。デビューでこんな歌詞の曲あてがわれるとは流石大人ユニットなだけありますね。その辺はJupiterと区別化されてるんでしょうか。こういう感じすごく好きです。これをアイドルデビューオーディションの腹出し衣装で歌ってると考えるとなんだか笑えるような恥ずかしいような。鏡の前の慣れない格好〜部分はJupiterには歌えない、一度社会人として働いていた(桜庭は年的にまだ研修医なんですけど)ドラスタメンバーじゃないとピッタリ来ない。
曲調が若干エレクトロっぽいアイドルソングって感じで、ほんのりアメリカのヒットチャートに載るような曲臭がしました。驚きだったんですけど、この曲調で翼が歌うのすごく、ギャップじゃないですけどすごく良さがありますね……純粋すぎて目をそらしたくなる…… 2番のWay not to yet know部分を翼が歌ってるのには死ぬほどテンション上がりました。そこでパート分けるのずるすぎる。好きです。
あとはサビでよく出るnonfiction changes my stageってフレーズの加工バリバリ感がダンスチューンっぽくてテンション上がりますね。ライブで聴いたら死んでしまう。
個人的にとても好きな曲です。ジャニーズ歌ってそうですね。すごく好きです。既に何度もリピートしてます。

04. ドラスタ×Jupiterドラマパート

JupiterCDのドラマパートよりストーリー性があって個人的には好きでした。ここでもてんてる桜庭コンビががっつり喧嘩してて、お前らレッスン中にこんなにギャーギャー騒ぐんじゃねえとキレない翼に母性を感じました。これがバブみなんですかね。
Jupiterがしっかり先輩していて、話を聞き出すときも誘導尋問的、というと悪いイメージありますけど、うまく引き出していくなあと感心しました。翔太本当は一体何才なんだ……。相変わらず北斗は桜庭の扱いうまいし、冬馬はカッコ良くまとめるし、Jupiter先輩ほんとかっこいいですね。事務所でなんだかんだ一目置かれてそうです。
桜庭が自分の厳しさを思い直すシーン、翼が自信をなくしている状態から回復したシーンがどちらもいい変化の仕方で感動しました。特に桜庭がこんな風に素直に反省するとは思ってなくて(失礼)、なんだいいやつじゃないかと思ってしまいました。
それに翼は正直相当プレッシャーあったと思うんですよね。歌もうまくないし、2人を尊敬しているけどだからこそ(年下なのもあって)足手まとい感はどんどんつきまとってきてたんじゃないかなと。桜庭は金目当てというところがあるので、ガツガツしてるぶん余計に翼のプレッシャーを上乗せしていたところはあったと思います。そういうあたりの翼の演技が個人的に好きでした。CD聞いてて翼を応援したい気持ちがどんどん伸びていく……。

05. DRIVE A LIVE(DRAMATIC STARS ver.)

ドラスタ歌唱になるとなんだか透き通った歌に聞こえます。やっぱりJupiterは自己プロデュースしてるというか、その曲で一番適した自分を全力で見せている感じがして、良くも悪くもプロっぽい。
だから逆に新米アイドルのドラスタ(中の人も新米)は、今自分の精一杯の気持ち込めてがんばって歌いました!って雰囲気に満ち満ちていて、ああ、ピュアだなあ……と感じます。
曲自体は前と同じなので、特に書くことはないかな。

 
二枚とも違う良さがあって、本当のアイドルのCDを聞いているような気分になって、8月から始めた身ではありますが、本当に感無量でした。
ぜひ全ユニットCDだして、全員で歌うDRIVE A LIVEをライブで聞かせてほしいです。そのためにも出資頑張らないとなあ。どうでもいいけどイチゴ狩りイベ報酬が次郎だったせいもあって気づいたらモバコインカードを買っていました。CDおそるべし(?)。
全体的にすごくいい作品だったので、少しでも興味ある人はぜひ聞いてみてほしいです。

落ちていく話

(たしか文芸誌に出した文章です。少しだけ直しました。元ネタは児童書(ペギー・スーだったか))

 

 

 

 

 

 

彼女の手をとって、飛び降りた。長い落下の始まりだった。

 

 

 わたしたちの生活する世界では、一定年齢に達した人に義務が課せられる。それは、街の中心にある大きな大きな穴へ、誰かと二人で飛び降りること。なぜかは知らないけれど、そういうものだった。嬉しいことがあったら笑う、それと同じくらいわたしたちには当たり前のことだった。穴はどれほど深いのかもわからない。落ちた人は数え切れないほどいるものの、そこから戻ってきた人はいないから仕方ない。

わたしは普通の、それこそただの一般人で、周りと同じように普通に生きている。学校を卒業して、可もなく不可もないところに就職して、彼女ができて、子供ができて、家族ができた。彼女ができたのは、すでに両親は飛び降りた後だった。

地表で過ごす最後の誕生日、わたしは彼女に盛大に祝われた。ほがらかな子供の笑顔に少し泣かされた。彼女の誕生日にも同じように祝い返した。彼女はぼろぼろ泣いた。もっとあなたたちと一緒にいたいけど、もうすぐお別れだ、と鼻声で子供に伝えていた。子供も真剣な顔で聞いていた。飛び降りる日まで、あと数ヶ月のときのことだ。わたしたちは身の回りの私物を捨てはじめた。身辺整理だ。それから周りの友人へ、後輩へ、挨拶をすませ、ちょっと素敵なところで食事なんかして、最後は少し真面目に締めくくって、そんなことを繰り返して、残りの数ヶ月をゆっくりと、噛みしめて、味わって、消化した。

 

 

 

当日は穴の周りに大行列ができた。同級生があちこちにいる。同じ年の人なんてせいぜい数百人しかいないので学校が違う人でもだいたいの顔は覚えていた。この人たちもみんな飛び降りるのか。と妙な連帯感に襲われた。国のお偉いさんが(それでも僕らと同い年だ)最後にマイクを持って叫ぶ。

「諸君、今まで素晴らしい人生を過ごしたことだろう。我々はよく働いたしよく学びもしたしよく遊びもした。楽しくも忙しい生活は今日で最後となるが、地表を離れても素敵な人生となりますよう!わたしも心から祈っている!」

非常に短い演説の後、彼はまっさきに夫人と共に飛び降りた。他の人達も後に続くようにして順番に飛び降りていく。一部の、一緒にいく相手が見つからない人、あるいは病気の重い人を除いて、地表からわたしと同じ年齢の人はいなくなるのだ。地表に残される人たちは羨ましそうにこちらを眺めていた。順番がまわってくるまでのあいだ、まるで処刑を待つような気分で、わたしは落ち着かずにいた。彼女がそれに気づいてか、わたしの冷たくなった手を強く握った。その手がしっとり汗ばんでいるのを感じた。彼女もおそらくわたしと同じようなことを感じているのだろう。

「×××××様、○○○○○様、順番です。お手をつないだままで、さあ、どうぞ。」

年下の役員の声は硬い。感情を押し殺した声だ。近い未来、自分もこうなるのだから複雑な心境だろう。わたしは思い切って彼女の手をとって、頷いて、そして飛び降りた。

 

  

 

落下し始めて、もうどれだけ経ったことだろう。一時間か、半日か、もしかしたら10分か。穴の縁もよく見えない。身を切る空気がじめじめとしてきた。他に落ちていく人たちの様子を見ると、共に落ちゆく人と思い出話をしたり、言葉遊びをしたり、他のペアを交えて歌ったり、様々だ。わたしは彼女の方を見る。彼女はぼんやりとした顔で言う。

「いつまで、落ち続けるのかしら。」

「そりゃあ、死ぬまでだろう。」

「いつ穴底にたどり着くかわからないんじゃあ、楽しく話をしていたら突然ぐしゃ、……ってことがあり得るのよね。やっぱり、わかってはいても怖いわ。」

「飛び降りたくなかった?」

「まあ、そうね。」

素直な彼女の言葉に笑った。地表でおおっぴらにこんなことを言ったら誰に叱られるかわからない。飛び降りは、当たり前のことだ。降りないほうがどうかしていると言われてしまうだろう。

「きっと誰もが心の底ではそう思ってるわよ。言い出せないだけで。だって、こんなの自殺じゃない。」

「でも、誰かがやたらと長生きして若い人の邪魔をすることもないよ。世代はどんどん変わるほうが、世の中きっと進歩していくさ。流水は腐らないじゃないか。」

「そうだけどね、なんだか、納得出来ないの。わたしは長生きして、自分の子供が大人になる姿を見届けたかった。」

「まあ、僕だってそうだけど、ね。でも落ちてしまったんだし、何を言ったってもうね。それに、怖くてもやらなきゃいけないことっていうのが、大人にはあるのさ。」

「……そうね。」

彼女は口を閉ざした。わたしはいつ終わるか分からないこの落下について思いを馳せつつ、彼女のもう片方の手をとって、繋ぎ直した。もう次の瞬間死んでいるのだろうか。それとも案外長い間落ち続けるのかもしれない。

 

 

 

数十時間と思える時間を、彼女とどうでもいい話や、秘密の打ち明け合いや、昔の話をすることで過ごしてきた。この頃には、だんだん周囲の落下する人たちの表情が暗いものになっていた。体をろくに動かしていないせいか、実はそれほど時間が経っていないのか、いずれにせよ空腹感や排泄欲というものは不思議となかった。周りの人もそうだと思う。しかし、逆に寝ることくらいしか三大欲求で満たせることがないうえ、それ以外にできることなど話すことくらいなので、だんだんと憂鬱になっていくのは仕方ないような気もした。わたしと彼女は元々話し好きだったせいか、子供ができてから仕事が忙しくて会える時間が少なかったせいか、そこまで塞ぎこむことはなかったのだが。

 

 

 

さらに時間が経つ。周りから聞こえていた声はだんだんと聞こえなくなっていく。少し上のほうで落ちていたペアは、始めはにこやかに談笑していたのに、やがて揉めるような会話を繰り広げた後、唐突に静かになった。わたしの右手側で落ちていたペアは、落ち始めからずっと、延々と学術的な議論を続けていた。足元のペアは、お互い持参していた薬のようなものを飲んで、それから動かない。あるペアは気が緩んできたのか、自分達の犯罪自慢を大声で始め、あるペアは二人して寝ている間に繋いでいた手が解け、少しずつ離れていった。まるで世界の終わりみたいだね。わたしがそう言うと、彼女は、この世界は少なくとも終わり始めてるわね。と冷めた声で返した。彼女は落ちている現状を話題にされることはあまり好きでは無いようだった。

 

 

 そして、また時間が経って、すっかり地表とはうってかわった空間になった。話すことに疲れた人、既に何らかの方法で互いの命を絶った人、逆にアッパー系の薬をキメてハイテンションで訳の分からない会話をしながら笑いあう人、様々だった。確かにこれは世紀末もいいところだ。こんなことをする意味なんかないのにね。と小馬鹿にしたように笑う彼女の気持ちが心の底から理解できた。わたしたちは、妙にリアリストな彼女のおかげかもしれないが、意外と心も折れず、ゆったりと落ち続けることが出来ていた。いつ死ぬかわからないという恐怖も、ここまで落ち続けていると薄れてきてしまう。いつ死ぬかわからないのは、地表でもここでも同じことだ。必ず死ぬとわかってはいるが、それも地表でもここでも同じことだ。

「できないことが多いね」

わたしは思いついたことがあって、ふと彼女に話しかけてみた。

「できないことが多いってことは、裏返せば、できることに専念できるということだよね。それって、ある意味いい余生なのかもしれないね。」

「なんで?」

「だって、死ぬまでにやることがいっぱいあったら、どれもしっかり済ませられないじゃないか。わたしたちにできることはせいぜい会話だけだけど、心ゆくまで、終わるまでずっと話し続けることが出来る。」

「……そうね、それはあるかもね、こんなにゆっくり話せることなんてなかった。」

「だから、もっと沢山話がしたいかな。」

彼女は珍しいことにちょっと照れたような顔をして、いいよ、と優し目の声で返してくれた。世紀末の如く荒れていく世界ではあるけれど、わたしたちの小さな世界は極めて平和に、続いていた。彼女の見た夢の話を聞きながら、わたしは彼女の手を優しく握り直した。わたしたちはまだ落ちていく。