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2016年11月に聴いていた音楽のまとめ

11月を振り返って、新しく触れた音楽などを中心に備忘録がてら、少し感想を書きます。

このあと、とにかくAppleMusicのことばかりでうるさいけど、別にステマ用記事とかではないです。でも音楽好きな人にはかなりおすすめです。色々聞きたい人にとって神サービス。月額も安すぎる。特に中々手に入らないアーティストが結構品揃え良い。

 


☆目次☆

  1. 大森靖子の最新アルバム「TOKYO BLACK HOLE」、個人的に大ヒット
  2. 懐かしさや切なさの海に浸かりたい、空気公団SUPER BUTTER DOGバービーボーイズ
  3. シューゲイザー当たり月!「Neøv」「きのこ帝国」

 

大森靖子の最新アルバム「TOKYO BLACK HOLE」、個人的に大ヒット

私が大森靖子を初めて聞いたのは、実は今年10/30のライブでした。個人的にはライブを第一印象にできたのはかなりラッキーだったと思います。というのも、大森靖子は生ライブでこそ観客に合わせて個性を余さず披露できる人だったからです。
ライブでアコギ一つと声をこれでもかと鳴らして魅せる、曲一つ一つの質量が大きい。歌詞も印象的だからずっと頭に残るし、バンドではできない弾き語りならではのライブ、むきだしの音楽で刺激される感覚が衝撃的。
ライブが終わってからもどうも気になって、その日にApple Musicを使ってTOKYO BLACK HOLEを落とし、かなりヘビロテしてます(ヘビロテ、私にしてはかなり珍しい)。なんだろう……ずっと聞いていられるというか、飽きの来ない曲が多くて、このアルバム完成度高いなあ。トレーラーだけでも聞いてみてほしい。でも本当は全部聞いてほしい。CDは「完成度が高い」状態で曲が収録されています。私はラスト2曲(給食当番正反対・少女漫画少年漫画)は弾き語りのほうが圧倒的に好きでしたが、形が整っているという点ではどの曲もCD側に軍配か。

個人的に良かった曲は表題「TOKYO BLACK HOLE」と、「SHINPIN」「無修正ロマンティック~延長線~」。


大森靖子「TOKYO BLACK HOLE」MusicClip


表題作はダントツにメロディラインが好き。東京の夜って感じがするから。


大森靖子・New Album「TOKYO BLACK HOLE」全曲トレーラー

「SHINPIN」は聞いていてリズム感がきもちいい。ちょっぴり変拍子なのも好き。「嫌いな人すらいなくてとても寂しい」って歌詞のインパクト、すごくないですか? 言葉一つ一つは難しくなく、表現内容も共感できるからすごい。

そして「無修正ロマンティック~延長線~」!!わりとアルバム曲が語りに寄っている(というか大森靖子の曲がそういうの多い感じ)なかではちょっと異色にも感じられる。私は男女ツインボーカルが涙出るほど好きなのでもう本当にこの曲好きです。このアルバムでは一番好き。曲調もちょっと大人センチメンタルで最高。

一番ツボなのは「ハモリパートで男性のほうが高音でハモってくる」こと!!最高!!男女ツインボーカルは人間の生み出した文化の極み!!!

TOKYO BLACK HOLE

TOKYO BLACK HOLE

 

 

 

 

②懐かしさや切なさの海に浸かりたい、空気公団SUPER BUTTER DOGバービーボーイズ

いまやきっかけも思い出せないんですが、11月に空気公団のベスト盤をAppleMusicで落としました。このアーティスト、切なくて懐かしい雰囲気に満ちている。そっと寄り添ってくれるような音楽で素敵です。


空気公団 "僕にとって君は" (Official Music Video Short Ver.)


特に好きな曲は「紛れて誰を言え」。これが流れたときに思わず聞き入ってしまって、それが空気公団に注目した始まりでした。
すごく細かいポイントですが、サビで楽器が受け持つ裏メロが、吹奏楽部でやっていたときを思い出して個人的にも懐かしい。 吹奏楽部ってそれっぽいフレーズというのがパートごとに存在していますよね。それを思い出して懐かしい。

 

 

一方SUPER BUTTER DOGはニコ動の「コミュニケーション・ブレイクダンスMAD」から入った口です。というかこの曲は有名ですが、誰が歌ってるのか調べるまで知りませんでした。実に8年越しの出会いになります。


SUPER BUTTER DOG - コミュニケーション・ブレイクダンス


とりあえずベスト盤をAppleMusicで聞いているところです。聞き始めたのは11月以前からなんですが、最近なんだかついつい聞きたくなってよく再生します。
どの曲もギターの刻み方が気持ちいい、リズムの面でかなり引き込まれます。曲調もちょっと懐かしい感じがしますね(2008年だし当然っちゃ当然か)。聞きながら物思いに耽るのがたまらない。聴くことにエネルギーを使わない、おじやとかあったかいうどんみたいな曲が多いです。消化に優しい。


SUPER BUTTER DOG - ゆっくりまわっていくようだ

特に好きな曲は「ゆっくりまわっていくようだ」。これを聞きながら、晩夏の夕方とか、肌寒い頃の早朝とか、ちょっとメジャーを外した季節と時間帯に歩くのとてもおすすめ! 

SUPER BETTER BETTER DOG

SUPER BETTER BETTER DOG

 

 

 

バービーボーイズはかなり前から名前だけ知っていました、というのもグループ魂のせいで。「片付けられない7DAYS(ぱつんぱつん収録)」という曲がもうこれでもかというくらいバービーボーイズをパロっていて(そもそもメインボーカルの片方が出演)、それで知りました。親とかラボスなど周りの大人が好きだと言っていたので、ベスト盤をApple Musicで聞き始めました。

大森靖子のときも書きましたが、男女ツインボーカル大好きなのでそりゃあ好きだとも、これは良いです。確かに時代が違うというのはかなり感じるんですけど、ちゃんと個性が際立っているので不思議と聞けます。ボーカルがふたりともハスキーなので合う合わないはあると思いますが、興味あったら一度聞いてみてほしいです。なぜか懐かしい気持ちになります。サックスも格好いいです。


BARBEE BOYS - 目を閉じておいでよ 〔歌詞付き〕

好きなのはやっぱり「目を閉じておいでよ」かな。
ただ、どの曲聞いててもグループ魂がちらついてくるから笑ってしまう。グループ魂の方もセットで聞いてみてほしい。打首獄門同好会がめっっっっちゃ水曜どうでしょうをパロディしてくるのと同じくらいパロディしてくるからな。逆にグループ魂からバービーボーイズを知った人は絶対聞いた方がより楽しめる。

蜂-BARBEE BOYS Complete Single Collection-

蜂-BARBEE BOYS Complete Single Collection-

 

 

 

シューゲイザー当たり月!「Neøv」「きのこ帝国」

まず「Neøv」から。ちなみに読み方はわかりませんりフィンランドの人たちでやっていふバンドらしいです。いかんせん日本語の情報が少なすぎる。
このバンドを知ったのは、夜中ネットサーフィンして見つけた音楽ポータルニュースサイト、その中の記事で特集されていたからでした。本当に偶然。というか普通に生活してたら知ることはできなかったと思う。
さすがはApple Musicというべきか、こういう海外のバンドの品揃えがやたら良いのでアルバム二枚とも聞きました。


NEØV - DAYDREAM CITY (official video)


もうすべての曲が好み!!最近のシューゲイザーバンドによくある「ドリームポップ+シューゲイザー+ポストロック」って感じの曲調なんですけど、音色の快感度合いが強いです。この3ジャンルの比重が曲ごとに違うって感じなので、例えば「windvane」はかなりシューゲだし「Daydream City」はドリーミー。
どの曲にも共通しているのがとにかく聞いていて心地よいこと。ぬるま湯にぷかぷか浮かんでいるときの気持ちよさがずっと続く。歌詞何言ってるか、聞いてもぶっちゃけわかんないけど気持ちいい。
あとはやっぱり北欧っぽい雰囲気はあります。「sad day for puppets」という北欧のバンドも根底に同じものを抱えていると思います。こっちのバンドはNeøvよりも全体的にバンドっぽいのとキラキラしているけど。


Sad day for puppets - Cold hand

シューゲとかドリーム・ポップ好きなら聴く価値はすごくあります!!騙されたと思って公式PVを見よう!

Orange Morning

Orange Morning

 

 

 

次に「きのこ帝国」。ずっと前から名前は知っていたけど、なんだか聴くきっかけがなかったバンドでした。ききはじめたのはApple musicのレコメンド機能に出てきたのがきっかけ。


きのこ帝国 - 「愛のゆくえ」Album Digest

とりあえず最新アルバムから手を出してみようと思って何の気なしに聞いた「MOON WALK」という曲でノックアウト……。

静謐さがひたすらに美しい、素敵な曲です。深夜起きてしまったときに聞いていたら止まらなくなりました。
他のアルバムもちょこちょこ聞き始めたんですが、題材は似ていてもアルバムごとの曲の色は結構違いますね。このアルバム「愛のゆくえ」はどの曲も浮遊感が強い印象です。穏やか。


きのこ帝国 - 愛のゆくえ

表題の「愛のゆくえ」は轟音イントロでシューゲばりばりですけど、サビに近づくにつれどんどん穏やかに優しくなっていく。
ばりばりうるさいなのが聞きたい!ってなるともう少し前のアルバムのほうが良いかもしれないです。「春と修羅」とかは通り越してむしろ情念系っぽいし。感情が先行していて、まるで戸川純とか聞いてるときの気持ちになる。
「愛のゆくえ」のアルバムが浮遊に特化していますが、元々きのこ帝国自体はシューゲイザーやポストロックの残り香のするロックバンドなのかな、って印象になりつつあります。pelican fanclub好きな人ならかなり好きなんじゃないかな。


PELICAN FANCLUB - Dali (MV)

歌詞のちょっと皮肉っぽい感じとか近いものを感じる。Voの性別が違うけどこっちもおすすめです。

愛のゆくえ(通常盤)

愛のゆくえ(通常盤)

 

 

 

桃栗三年柿八年 研究室所属後半年 論文未だ読めず

※ほとんど日記です

 

研究室に所属して早nヶ月ですが、私はおバカなので論文の読み方が未だにわかりません。

 


半年経ったけどわからない。試行錯誤しても成長を感じません。なんなんだよ論文って。もっとなんかこう、うまくならんのか。英語読めないからダメなのは大いにあるけど。

 

とりあえず今は↓こうやって読んでますけどめちゃくちゃ時間かかるのでパフォーマンスが良くない。本当はまず慣れるために量読まなきゃいけないのはわかっているんだが。

 

まず:印刷。

わからない単語に青の蛍光マーカーを引く。脳死状態でもできるから実験とかやる気でない時にやる事が多い。

引き終わったら単語の意味を調べてマーカーの上に小さくメモる。専門用語だった場合は論文の余白に用語の概要をメモ

(例えば抗生物質名が出てきたら「~~という抗生物質である」「こういう薬にも入ってる」「ここを阻害する」とかwikipediaレベルのことを1,2行)

ここまでは前準備としていつもやるようにしている。その後どうするかは主に2つのパターンがあってどれもいまいちピンときません。

 

ケース1:
目を通しながら、初見でなんとなく大事そうなところに黄色のマーカーを引く。(最近は実験方法(何をやってわかったのか)とかは赤マーカーにしたりとか使い分けている)

マーカー作業を終えたらルーズリーフに論文の中身をざっくり書きとめる。ここではわりと意訳気味でメモしているし、必要に応じて図を描いたりもする。

論文読んでて英語力とかが足りないので頻繁に意味わからんところが出て来るが、できるだけ頑張って直訳してから「わかりませんでしたマーク(クエスチョンとか)」をつけておく。あとわかんなかった原文の方にも?つけたり括弧でくくってわかるようにしておく。

これをabstract→introduction→conclusion→figure→result→discusstion→supplymental figure→material methodの順に行う。とはいってもサプリ以降は滅多に翻訳しません。論文紹介とかのときくらいか。

 

 

ケース2:
とりあえずテキストエディタに比較的意訳をざくざくうちこむ。要するにノートではなくパソコンに訳を書き込んでいる。かなり箇条書き。

ここでもわかんない部分には?をつける。

また、文章の補助具合によってtabキーで階層を分ける。例えば

 

AはBの成長を制御する

  主に翻訳を阻害している

これはCでしか観察されたことがない


みたいな感じ。これも区別はざっくりつけてる。これをケース1同様に順番に行う。

だいたい全部終えたら、今度は別のテキストファイルに、前の直訳テキストをもっと意味がわかるようにつなげたりまとめたり意訳したりしたものを作る。たとえばAの話題が論文であちこちに散乱してたらそれをまとめたり。

さらに時間があるときには、figureからわかることや、行った各実験の目的などを軽くまとめる。

前の論文紹介のときは実験ごとに由来する図はどれか、何を知るためにどういう実験をして、何をつかってその結果何がわかったのかをまとめたりもしていた。それはもう時間がかかるのであんまりよくないなと思いました。

とにかく英語がどうしても駄目で、言語のせいなのが8割位ある(たぶん)。英語にもいつまでたっても慣れない。どうすればいいんだろうな。

「君の名は。」は見た後もしんどくならない(感想)

映画を半年にいっぺんくらいしか見ない私ですが、「君の名は。」見てきました。

多分友達に誘われなかったら行く機会はなかったと思うのでホント感謝です。
映画はズートピア以来だけど、ズートピアとは似つかない映画ですね!

 

新海誠作品は金曜ロードショーで見た秒速しか覚えがないので信者ではありません。秒速見たときは切なくて苦しくて死にたくなった。吐くかと思った。
言の葉の庭はなんとなくずっと見てみたいなと思っています。主人公がCV入野自由なのでとても興味がある。機会をくれ…。

 

極めて簡潔に感想を述べるとするならば
見始め:完全にTHE 新海誠。あとRADのMVとしてこの映像作ってるだろ。
見終わり:見終わったあとなのに秒速の時みたいに死にたくならない!すごい!
でした。

 

※以下ネタバレ有の感想です。ストーリーがきちんとあるので、未視聴でネタバレ気にする人は見ないほうがいいかも。
あと、「秒速しか見てないのに新海誠を語るな!!」って思う人絶対いると思いますごめんなさい

 

 

 

 

 


まさかハッピーエンドになるなんて予想もしてなかった!!!裏切られました!!!!
中盤(三年前との入れ替わりに気づくあたり)から、もうこれはどう転んでもどこかでバッドエンドに入るだろうと思ってみていたのに、ぎりぎりのところで常にグッドな結末に向かっていておどろきました。
例を挙げるとたくさんあるんですけど

  • 口噛み酒を飲むシーン…これは酒によって見た幻で、うまく行っても行かなくても自分の現実改変を行うことができず、記憶を失って終わるのではないか?(幻ではなかった)
  • 三葉と瀧が自分の体に戻ったあと、三葉が奔走するシーン…これはお父さんを説得できたかどうか分からないけれど、いずれにせよ彗星墜落には間に合いませんでしたというオチなのでは?彗星めっちゃ落ちてきてるしこれは間に合わないでしょ(間に合った)
  • 二人が大人になって、階段ですれ違うラストシーン…すごくためらって、でも声掛けないまま気のせいで済ませるやつでしょ!!!秒速みたいにもやもやさせるんだ!!!秒速みたいに!!!(ならなかった)

実際いつバッドルートに入るかと思ってみていたので、普通に見ていてハラハラしました。
だって、これで無事に彗星墜落を逃れて、しかもその後また会うことができるなんて、あまりに幸運のバランスが(一度の奇跡的なタイムスリップによって)崩れすぎている…。口噛み酒の奇跡であまりに都合がよく運ばれすぎている…。こんなはずがない…。
穿ち過ぎていて、むしろ見ていて展開に手に汗握れたのである意味良かったともいえるけど…釈然としなくもある。
ハッピーエンドで終わるので、見た後の後味が悪くないのは、拍子抜けしたけどまあ良かったか。少なくとも、ハッピーエンドにしたことでリピーターも増えるだろうし、新海誠信者じゃなくても見やすいんじゃないか。たぶん、これだけのヒットには少なからず影響しているでしょう。

でも別に恋愛関係にならなくても良かった、個人的には。恋愛関係に移行するのは理解できるが、安易な着地といえば安易かな?必然性がちょっと弱く感じもする。

 

直接・間接的に後味を良くしてくれる演出

秒速と違うなと感じたのは、一つは上述したような直接的「後味の良さ」
もう一つは「絶対にありえないファンタジー要素を入れた」ことでした。
つまり、自分が人物に感情移入しても「こんなことは(少なくとも現象的には)絶対ありえない」と思うので、変に入れ込みすぎないというか、自然と追体験してしまう心の所作をこっそりセーブされている、この感じによって間接的に後味が良くなる。
というのも、秒速はドラマティックな話だけど、(ほぼ完璧にありえなくとも)現実世界であるかもしれないことであって、再現できなくはないんですよね。ひたすら主人公の感情を追跡してしまって、自分のいろんな体験に重ね合わせてしまって、主人公と同様にやりきれなくて辛くなる。
しかし「君の名は。」には圧倒的なありえなさとしての「入れ替わり」「タイムスリップ」「過去のやり直し」という要素があって、なんとなく人物や物語と自分の間に距離をおいて見ることができる。少なくとも私はそうだったので、秒速みたいなやり場のない辛さはなく、「ああ、あの二人は救われて再会出来て、うまくいってよかったなあ」という視点で終わることができ、気が楽でした。
(ただ、終わってから考えてしまったけれど、やり直しの時点で運命が変わったから、「パラレルワールドにそのときの主人公たちが移行できただけ、元の世界も同様に存在している」という微妙に救われきれないオチだったらどうしよう。この可能性はあるともないとも言いきれなくてもやもやする…)

 

純粋に構成と表現のレベルが高い

(どこまでが新海プロデュースかはさておき)、演出と音と絵は本当にいいところが多くて、素直に見ていて楽しかったです。
RADプロデュースのBGM・曲も結構合ってたと思います。RAD特有のクリーンで摩擦のないギターの音色が、現実の(視覚・聴覚的に)綺麗なところをたくさん表現してくれるこの映画によく似合っていました。
二人の電子的記録が文字化けして消えていくところとかは焦りと文字の無機質な変化がうまくリンクしていたし、あれは電子的なものに対してだからこそ、感じられるリアルな恐怖という感じで。
互いの記憶が、真実に気づいたところからみるみる零れ落ちるシーンも妙にリアル。夢を見ているとはよく言ったもので、まさに夢の記憶が起きた瞬間みるみる消えていって、必死で留めようとする感覚がリンクしました。
何より、偶然世界のバグの当事者になって、何事もなかったかのようにそれが修正されていく様は、世界による無慈悲な歪み修正のようで大変良かった。中二病っぽくて最高でした。最高!
でも、ここまで現代に擦り寄ってて、あまつさえiPhoneをバンバン出してるの見てると、数十年後に見た時にはなんだか違う感想を抱きそうだなって思ってしまう。現実に沿ってる分、今はすごく共感できるんだけど、共感の極大をガツンと今に持ってきているあたりが普遍性を持つジブリ作品とは違うなあ、と思いました。

あとは伏線が結構張られていて、実は無駄なシーンがかなり削ぎ落とされていることに、見ていてどんどん気づけていける構成なのが良い。
正直、最初の彗星がどんどん落ちてくるシーンも、それを主人公二人が眺めているシーンも何なんだ?としか最初は思わなくて、後半も後半の方で同じシーンが流れてようやく気づいてハッとした。こういうアハ体験的な気づきが適度にあると、見ていて気持ちが良いというか。
組紐はそれはもう、しつこいくらいにリフレインされていましたが、おばあちゃんの言葉に意味がこもっていて、繰り返されるたびにその言葉の重みが増して感じられて、いいフレーズ・モチーフだなと思いました。

…しかし、口噛み酒のシーンとか、やたら胸を揉むシーンとか、微妙に趣味混じってないか???とは思った。
まあ胸のシーンはまだ理解できるんだけど。確かに視覚的にもわかりやすいけど。めっちゃ柔らかそう。
何気にトイレのシーンとかも強調されてて。ギャグとはわかっていてもこれ趣味じゃないのか?って感じた。
口噛み酒は…、まあ個人的には良いモチーフだと思うが、口噛み酒である必然性はどうなんだろうなあ。三葉との結びつきという意味では、なんせ一度体に含まれたわけで、相当に強いからいいんだけど。あと描写が妙にリアルでなんだか笑ってしまった。いいんだけど。

役者の演技は本当に良かった。なんといってもW主人公の中の人ですよ、すごい良かった。
何がいいって、ちゃんと入れ替わっていることが声を聞けばわかるところがいい。声色や話し方の細かい所作をなぞっていて、丁寧な演技だなと思いました。
正直、ここだけでも映画代払う価値はあるんじゃない?同じことしか言わないけど演技上手いよ、本当によかった。特に必死そうなところがうまい。


新海誠の「美しさの暴力」の具現化

彗星の落下シーン、すごく綺麗でした。新海誠最骨頂と言わんばかりの色彩に澄んだ音といい、とにかく美しい。純度の高い美しさを享受できる。
でも、この彗星によって起こる未来を知ってしまうとあまりにも複雑な気持ちになりました…。
例えば、瀧くんが屋上で彗星を「綺麗だ」と見上げるところもそう。テレビ中継が入り交じる中で最後にはっきり聞こえた「このような機会に巡り会えるなんて私たちは幸運」というアナウンサーの言葉もそうです。
凄惨な事故は確かに起こるけれども、それが分かる前と後で彗星の美しさは(その人の主観によるとはいえ)変わらないはずで、無情だなあと感じもするんですけど、でも同じシーンを何度見てもやっぱり最初と同じくらい「美しい」と感じてしまうんですよね。
この感じは秒速を見た後の苦しさにちょっと似ていました。秒速の映像は本当に美しさの塊で綺麗なんですけど、その綺麗さがストーリーとあいまってものすごく切なくさせるというか、胸が締め付けられる。景色が殴ってくるというのかな。でもやっぱり綺麗なんですよね…複雑…。
そう考えると作中の彗星は、それ自身に罪はなくとも、ものすごく暴力的で、そしてそれは新海誠が演出する美しさが持つ強いエネルギーと似ているな、と感じました。美しさと暴力の具現化(具体例?)として彗星を見てしまいます。
(彗星によって壊れた町も、壊れた人工物は悲惨だけど自然の景色はどこまでも綺麗なんですよね。どす黒い雲とかも覆ってこないし。その綺麗さがまた刺さる。)


新海誠≒洋楽アーティスト(?)

ぶっちゃけ新海誠はもう、電車、すれ違う男女(そして成長後も描かれる)、景色の美しさ(による暴力)などは禁じ手にして、あえて縛りルールで作品作ってみてほしいと思ってしまう(もうあったらごめんなさい)。正直一部シーンはあまりに秒速との既視感が半端ない。
今回見ていて、新海誠は洋楽アーティスト寄りのモノづくりをしているのかな、と少し感じました。(他の作品を見たら感想は変わるのかもしれませんが)
洋楽アーティストって、日本と比べると同じジャンルの、(聞きようによっては)似たような曲をストイックに作り続ける職人のような人が多い傾向にあると思います。日本の人のほうがいろんなジャンルに手を伸ばすイメージで。
だから私の場合、洋楽のアーティストは好き嫌いが結構激しく出て、この人の曲は大体好き、この人のはどれもあんまり合わないっていうのがはっきりするんですが。新海誠からもそれを感じました。
この世界を突き詰めて作るぞ!みたいな心を感じる…ような?ちょっとおこがましいかな?

 

 

ところで本当にどうでもいい話なんだけど、ティアマト彗星って見た瞬間ふきだしそうになってヤバかった。ぜんぶグラブルのせいです。

「DEAR FUTURE」シングルをきいてほしい(CD感想)

輪るピングドラムのED「DEAR FUTURE」のシングルの軽い感想。

 

アニメのEDで聴いて一発KOされ、ここからdeepersにハマったという個人的に思い入れの深い曲です。浮遊感がある音楽やシューゲイザー好きにぜひ聴いてほしいです。

全体から感じた感想としては、同じ曲もここまで色を変えられるのか!ということに尽きる。同じ曲を元にしているのに聴いていて飽きないっていうのはすごいことだなと思いました。どの曲も、根底には同じような夢心地さや非現実感を維持させているというのがすごいんだ本当に。

 

Coaltar of the deepers版(オリジナル)

DVD見てた時のED入りを思い出して懐かしい気持ちになる。イントロのギターがなんとなく踏切音みたいだなあとずっと思ってるけど、考えてみたらモデル路線の丸ノ内線に踏切は無い。
かなり高音まであるのにNARASAKIさんすごい。コーラスの陽毬ちゃんはアニメ内の可愛さは一切なく、子どもらしいのに幽玄な感じが好き。ちょっとけだるげ。NARASAKIもけだるげ。
ギターがずっと6連で刻んでて、全体の四拍子と合わせてポリリズムっぽくなってるのも、流れる感じがして好き。(NARASAKI自身が流動性つけて曲作るのが好きらしいから、それでかもしれない)
でも意外と音は重めだった。 メロディとかはふわふわなのに音は地に足つけてた。 dear my future dear your future の後にパァっと賑やかに明るくなるのが、EDの映像と合わせるとほんとうにかっこいい。しびれる。アニメもぜひみてください。
ただ、COTDか?と言われると、なんというか洗練されすぎてて疑問かもしれない。シューゲイザー風味なのにすごく洗練されていてなめらかなのが違和感にも感じられました(好きだけど)。バンドっぽさがなぜか感じられない。yukari telepathを少しノリ良くして打ち込みのように精巧に楽器でやりましたって感じ。寝落ちっぽい。
以前ライブで聴いたときはこの精巧さが生演奏の臨場感に代わっていて、別の曲を聴いているのかというレベルで違ったのも印象的でした。
あと、これが好きなら後期のDeepersはきっとハマるので、AppleMusicとかやってる人はぜひ聴いてみてほしいです。渋谷のTSUTAYAにもあるよ。

 

urban dance版(カバー)

オリジナルの方にもトリップ感はあるんだけど、こっちは電子音ましまししたせいか、寝落ちより何かキメたの?ってトリップ感のほうが強く、どことなくサイケっぽい。男性らしい男性ボーカルもいい。少し艶があるのが良い。
こっちはメロディと音色が地に足つけてないけど、ドラムだけはまだ踏みとどまっててギリギリ現実世界を離れずにいる。
多分男性が歌うのに高すぎてキー下げてるんだろうけど、そのせいか艶めいて都会的になっている、まさにアーバン。この声が好きならきっとササキオサムも好きになると思う。
あと、間奏部の謎のソロ的なノイジーなところが好き。

 

Ringo Deathstarr版(英語詞カバー)

一番シューゲイザーバンドってかんじ。超王道シューゲイザー!歌声もシューゲイザーらしくついに埋もれて聞こえなくなる。マイブラ系統。
個人的にシューゲイザーにはいくつか分類があって、熱中症系、猛吹雪系、夢遊病系などがあるんですが、もうこれはばりばり猛吹雪系でした。
ギターから吹き付ける雪を連想する。ギターの音色すごく格好いいです。猛吹雪の中見えるか見えないかわからない景色とか、凍死しかけてるときに聞こえる雪女の歌声みたいな。一番荒々しいけど、声のスモーキーさと一番のけだるさで現実感は意外となかったりする。
各楽器がしっかり存在感を見せてきているのに、曲としては全体的に溶け合って聞こえるのはボーカルパワーなのか。
正直性別のことがあるのにNARASAKIの方がキュートな声をしているのがちょっと面白い。

  

DJ JIMIHENDRIXXX版(remix)

堀江由衣版のremixなのでカバー+remix。だいぶダンサブルな電子音楽に寄っていて、シューゲの影はもはやほとんどない。
イントロはふわふわ夢遊病なのに突然SLAKE(音ゲーの)っぽくなる。Sota Fujimoriの1stアルバムのSLAKEリミックス版Rise'n beautyに雰囲気がすごく似ています(試聴で聞いてみてほしい)。 ピンドラのイメージから一番離れていると思います。重量というよりも重力のある音がするといったほうがしっくりきます。
urban danceバージョンとやや似た方向性。

 

Secret Shine版(英語詞カバー)

バンド!!!っぽさを全面に出してきている。ベースラインがぼーっと重たくて圧力がある。英語詞がすらっと耳に届いてきて気持ちいいです。
ボーカルはNARASAKIとデススターを足して2で割った雰囲気。ちょっとジブリとか歌ってそう。 そしてやっぱりけだるい。でも透明感があるのが不思議な感じ。
advantage lucyっぼいようなふわっとした声というか。歌声の存在感をめっちゃ強いバンドサウンドで圧倒してる印象を受けました。
このバンドのリズムの取り方が6連符というより、3,3,2みたいなリズムの取り方をしてるので、なんとなくとっつきやすく聞こえました。
最後のDear my future, dear your future のところに一番バンドの色を感じられて好きです。

 

kensuke ushio版(remix)

空間を感じる音作りになっていて、電脳世界の暗いところとかに閉じ込められている気分になる。
アニメの劇伴でシリアスな独白シーン(背景が暗くなるやつ)で流したい(ピンドラの病院シーンとか)。すごくしっくりする。夜目を閉じてヘッドホンで聞くのが似合います。
個人的にはボーカルをもっと透明な声にしたほうが合うんじゃないかな、とも思いました。NARASAKIボイスって少年声だけど摩擦係数が大きそうというか…。周囲の音が電脳的過ぎてギャップを大きく感じます。インストで聞くと攻殻機動隊菅野よう子風)の雰囲気があるかも。Yukari Telepathとかにもちょっと似ているような。

 

堀江由衣版(カバー)

可愛すぎるイントロで、女の子性を初っ端から存分に発揮していた。
堀江さんってこんなに声可愛かったんだなあ…と思います。役だとなかなかクールなものが多くて同じ人とわからない。これが真砂子役と同一人物とはにわかに信じがたい。
声質は可愛いし、サビのコーラスも可愛いのに、歌い方はぶりっ子一切なし、素肌って感じ。演奏部分とあいまって、夢の中の国で楽しむ小学生の女の子のようなイメージが浮かぶ。
今回どういう形であれ、夢の世界とかトリップ中の感覚とか、そういう現実世界とどこか乖離した世界を体現したようになっていて、これはメロディの力なのか、各人のミックスの方向性なのか…

 

 

アニメを先に知った人にとっては、このCDはいろんな類の音楽への可能性を見いだすきっかけになると思う。そしてアーティスト側から知った人にはぜひアニメのほうも視聴してほしいです。きっとこの曲が好きになった人はピンドラも面白く感じるはず。

映画「同級生」

中村明日美子「同級生」の映画を観た。

 
 
原作(同級生・卒業生)は読破済み。ネタバレ配慮なし  以下感想
 
 
 
 
感想をまとめると「フィクションだと感じないくらい自然かつ、リアルなフィクション」。
映画の中身は原作に極めて忠実で、今観ているシーンが漫画のどのページのどのコマなのかがありありと、書き文字まで一つ一つ思い出せるくらい丁寧に描写されている。画的な部分で、ここまで精密に原作を再現しているところが良かった。
そしてこの映画を漫画としっかり差別化したものは「聴覚」だと思う。劇中で鳴る生活音も、音楽もあまりに現実と近くてリアルだった。
合唱練習の音のずれ、ズゴックのバンド演奏、ペットボトルのキャップが転がる音…… 映画のために作られた音というより、元からそこにあった音が聞こえてくるような印象を受けた。個人的にはバンド演奏のシーンがとても好き。
原作から音を丁寧に拾い上げるだけでなく、さらにオノマトペ的な効果音が加えられていて、それをアコースティックギターで作っていたところにもすごく共感が持てる。効果音および主題歌は押尾コータロー氏が手がけており、このように述べている。

主題歌だけでなく音作りに関してもまさにこの発言の通りで、アコギのノイズからきしむ心情が、澄んだ音から青春のまっすぐさが伝わってきて、この映画を「恋愛を写実的にうつしたもの」から「芸術作品」にしていたと思う。そういった意味では映画館で、できるだけ良い音響のもとで観てほしい。主題歌のボーカルがガリレオガリレイの人で、あの声こういう曲に似合ってるからほんと最高。
 
「聴覚」という点では、声優の演技も迫るものがあった。これは主役達だけではなくて、ガヤ一つ取ってもそう。作り物くささが無いとても自然な演技で、どのキャラクターも現実感を持っていた。この作品では佐条と草壁が頻繁にすれ違うので、頭で考えるより先に声が出るようなシーンも結構多い。特に神谷さんがそうだが、そういう心情が先行した声の演技がどの声優もとても上手かった。キャラクターを第三者として見るのが難しくて、2人がすれ違うたびに喉がひりひりした。
 
映画では季節ごとに章が分かれていて、出会いから1年後の夏までが描かれている。あくまで原作の同級生部分のみの映画。
 
 
雰囲気的には秒速五センチメートル的なものを感じる。切ない恋と甘酸っぱさと主題歌の浮遊感、景色の幻想的な美しさなど、共通する点は結構多いような気がした。たぶんああいう作風が好きな人なら初見でもそこそこ楽しめるんじゃないかな?
BLとはいっても純愛に近いのでそれほど違和感はないはず。ただ、ハラセンのシーンとか少しBL特有のご都合主義(にわかに信じがたいシチュエーション主義)がないわけではないので、そういうものが無理な人だとちょっと辛いかもしれない。PG-12だけどディープキスするくらいなのでそこまできつくもない。
 
漫画を読んだときよりも真に迫るものを感じた映画だった。キャラクターが動いて音が鳴るだけで、ここまで現実味ある出来事として感じられるんだなあと少し感嘆。知らない人にはいい映画なので観てほしいし、だめでも原作を読んでみてほしい、そんな作品だと思う。

シエナウインドオーケストラの演奏会に行ってバーンズ氏と須川氏を見てきました

先日、シエナウインドオーケストラの第40回定期演奏会に行ってきました。
今回はオール・バーンズ・プログラムということで、プログラム全曲がJ・バーンズ氏の曲、しかも振るのも本人という豪華さ。バーンズ氏といえば!な曲「アルヴァマー序曲」も演奏される。
しかもゲストとして超有名サックス奏者の須川展也氏も参加するということで、これが学生料金2000円ならもう行くしかなかった。
日本人の現サックス奏者で最も有名なのでは?須川さん。

プロの吹奏楽の演奏会に行くのは初めてでした。今まで行ったのは知り合いの高校・大学の定期演奏会くらい。自分で参加したのも高校の定演くらいです。
以降は全体の演奏、須川さんの演奏、等々の感想と、演奏以外で考えてしまったことの順で書いています。


演奏は本当に、本当に良かったです。これは行く価値が十二分にあったなと思います。学生席はかなり前の方だったので、音がまとまって聞こえにくいはずなんですけど、まとまって聞こえる……不思議なことに。
当たり前のことしか言えないんですけど、プロの基礎土台って本当にしっかりしているんだなあ、と改めて実感しました。か細い音でもちゃんと楽器は鳴ってるし、アインザッツがおそろしいくらい揃っているし、音量の調整が滑らかで自然。
こういう音の飛び方は苦手とか、低音はピッチが上がりやすいとか、色々と楽器の物理的制約ってあると思うんですが、そういったことをまるで感じさせない。楽器を完全に支配下に置いているのが本当にすごい。
曲の中で技術的部分で違和感を感じないので、演奏が本当に音楽としてすんなり聴こえます。これが理想形なんでしょうね……。せっかくならもっと早くに聞いておけば良かった!

席が前4列目のかなり右寄りだったので、サックス・木管低音、コントラバスがよく聞こえる位置でした。今までの演奏会ではもっと中央側の席で鑑賞していたのもあって、今回低音がよく聞こえてくるのがすごく新鮮でした。
コントラバスって全体がffとかだと聞こえないことが多いんですよね。しっかりベース音が聞こえると演奏がかっちりして聞こえて楽しい!木管ソロとかで唯一伴奏をするコントラバスのピチカートが美しい!しかもサックスも近いから須川さんまでたいへん近い!!というところで、なかなかいい席でした。
学生席だしそれほどよろしくない席をあてがわれてるんでしょうが、新鮮な聴き方ができるのは良いかもしれない。

続いて須川さんについて。最初に見たのはロビーコンサートのとき(開場後しばらくして、ロビーでアンサンブル演奏がある)だったんですが、第一印象はすっごいナイスミドル!綺麗にお年を召した方でした。活き活きとしていて若々しい感じ。
その後の演奏中も近かったので結構演奏の様子が見えました。吹いてるときはとにかく楽しそうで、体が音楽に乗って動く、でもアンブシュアとか視線とかそういう部分はすごくピシッとしている。音楽を楽しみつつものすごい集中力を発揮していて圧倒されました。あれは本当に、近くで見ると圧倒されると思う。
というか、これは須川さんだけでなくシエナの方全員に通じるんですけど、どの人もすごく楽しそうに演奏していました。だから見ていて楽しい。曲に感情移入できるというか、各演奏者の動きでさらに曲がよく聞こえてくるんですね。必死さがないのも良い意味でこっちが肩の力を抜いて聞けるのかな。
須川さん以外に個人的に注目していたのがバリトンサックスとコントラバス。バリサクは部活でかつて吹いていたのもあって、コントラバスは前述したように新鮮でついつい見てしまう感じでした。痺れる低音〜〜かっこいい……低音のかっこよさを余すところなく堪能しました!
バーンズ氏は思ったより若くて、落ち着いているけどエネルギッシュな指揮でした。指揮中の左手の動きが良い。演奏も乗せやすそうだなあと感じました。指揮とかジェスチャーはやはり共通言語なんだな…と。

演奏については本当に良くて、本当に行ってよかったと思えたのですが、ちょっと気になったのが運営面についてでした。
当日券等を扱う窓口があるのですがそこの対応が雑、開場前に来た人たちを並ばすなどせずにギリギリまで放置したせいで狭い文京シビックセンターに人がごった返している(その状態で運営の人たちは談笑している)、ロビーコンサートがあることもいきなり知らされ、人がどんどん集まるのでホールに向かう通路を塞いでしまう、ロビーコンサートの曲目紹介も声が小さくてほとんど聞こえない、……と挙げるとキリがないんですが、そういった始まる前の指示出しとかが雑で、正直初めて行った身としてもどうすればいいのか戸惑うことが多々ありました。実際来ていた他の学生なども困っていましたし。高校の演奏会の方がはるかにましなレベルです。それがちょっと気になってしまいました。始めてきた人でも困らないように、あらかじめ動線確保するとか、来た人からどんどん並んでもらうとか、何かしらやってほしかったな……。

あと、これは特に不満とかではないんですが、前列でアンコール(観客参加型で演奏)を聞くと耳がめちゃくちゃ痛くなりますw 音を通すタイプの耳栓があればしていったほうがいいかもしれない。

全体の感想としては、2000円で行く価値は十分ある演奏会だな、というところでした。今度は東京佼成の方にも行ってみたい!自分が演奏したかったけどできなかった曲をやってもらえるのがとても嬉しいので、もっと日本人作家の曲もやってくれる演奏会が増えるといいな。

coaltar of the deepers 「The Visitors From Deepspace」感想

輪るピングドラムのEDや絶望先生の楽曲でも有名なNARASAKI氏の率いるバンド「coaltar of the deepers」のアルバムを借りてきたので感想。1stアルバムっぽいですね。The Visitors From Deepspaceってかっこよすぎか〜、深淵からの来訪者って厨二か〜って感じ。



1:Killing An Arab
必殺仕事人みたいなラッパの後にいきなりデスボイスでイントロの強烈ギャップ演出には文句なしでした(?)。正直これ聞いたあたりで、私はあまりメタルとかが得意ではないのもあって、アルバムを聴き通せるか不安だったんですが、わりとあっさり慣れました。つまりメタル聞かない人でもいける。
デスボイス出してるのもNARASAKIさんらしくて普段の歌声のギャップにもやられる。そしてラッパで終わり。アルバムジャケットの謎装束の来訪を思わせる曲でした。デスボイスオンリーなので他の曲より初聴きにはハードルが高いかも。どうも調べると他のアーティストの曲をアレンジしてるらしいです。どうでもいいけど曲名が物騒。


2:Amethyst
前より少しカラフルな曲になってくる。ギターがノイズノイズしてますけど、騒がしいながら1曲目より色彩豊かになります。
あとNARASAKIさんがデスボイス率を下げて普通に歌っているのでより聞きやすい。この少年みたいな声がやっぱりとっても良いですね!
メロディーとかはむしろ王道ロックバンドっぽくて、ここでディーパーズのハードルはぐっと下がるんじゃないかなあ。
ギターのノイジーな音もいいんですけど、ドラムが打ち込みかってくらいきっちり刻んでいるので気持ちいい。なんとなく金属音が目立つように聞こえます。


3:Your Melody
えっ曲変わったの?ってくらい方向性が似ている…。さらに色彩豊かになって、しかしノイジーさはむしろ増しているような。歪んだギターがバリバリ鳴ってるところにNARASAKIさんのふわふわした声が乗っかっているところが本当に良い。もう少しおとなしかったらシューゲイザーっぽいかもしれない。前曲よりは構成も単純でわかりやすい。


4:Earthing
えっ曲変わったの???(二度目)。リズムの取り方があんまり変わらないのもあって、イントロだけだと曲が変わったのかよくわからないです…。違いの分かる人なら分かるのかもしれない。
今度はボーカルが低くなって、またデスボイスもちらほら。ダーク感が増します。今までと曲調は似ていながら、ボーカルの高低を変えることで印象をかなり変えてきています。でも声が埋もれそうなのは変わらず。
そしてなぜか3分あたりから突然のホイッスル。15秒ほどサンバっぽくなって、気づくとまた元に戻っている。今まで通りふんふん聴いてると違和感が強いんですけど、飽きない工夫でもあるのかもしれない。


個人的一押し!ギターのアルペジオがいい感じに幻想的で入りからかっこいい。曲調はまあ、やっぱりわりと似てるんですけど…リズムの取り方なのかな…。
でも完成度というか、出来がいいと思います。メロディーも心なしかキャッチー。
ふわふわしたアルペジオがずっと鳴り続けながら、ふわふわしたボーカルが鳴る、このふわふわさが夏の陽炎に似ています。どこか現実感がないのでそれっぽく感じるのかも。ふわふわといっても可愛いふわふわというより、夢遊病に近い浮遊感。


6:Snow
夏の次がもう雪。曲調が今までとかなり変わっていて、まずBPMがゆったりします。ギターも前曲に続き優しい音。ボーカルもデス要素なく優しい声。聞きやすいロキノンバンドのゆったりした曲っぽくもあり、でも声質とドラムの金属感とギターの音色がそれと差別化を図っているような曲。もしかしたら一番とっつきやすいかもしれない。夕方の電車に揺られながら聞きたい。
4分あたりから今までのノイジーさを思い出したように騒がしくなりつつ、今までの余韻がまだしっかり残っているのが良い。アナログだけどポストロックとかに方向性が似ているような感じです。ACIDMANにもほんのり似ているかも。
6分半あたりからは今までとも違った輪郭の掴めないノイズ+ほんのりとしたストリングスのような音、これがすごく吹雪を連想させる、前が何も見えないような感じを表していて好きです。これがフェードアウトしていくのもイメージに合っているし、この曲もかなり完成度が高くて聞きやすくていい。


7:Blink
また2曲目とかの雰囲気に戻る。もう、またかよ!!って感じなんですけど、楽器の音とかは前から引き継いでいるように感じられて、ただ騒がしいというよりは残響に近い。この辺もうばりばりシューゲイザーではないかと。サビに来るとそれも少し抜けちゃうんですが…。でもところどころでなるラッパがまたかっこいい。
2分あたりのドラムが目立つあたりがまた他曲との差別化を図っていて好きです。この辺ルミナスオレンジにも似てる。また硬い成分を入れてきたな!と思ってたら曲調が元に戻る。どうもこういう、途中で少しばかり違う雰囲気のフレーズを入れてから元に戻る構成の曲が多いような。
最後のNARASAKIさんの「Ah,Ah〜」って声と輪郭のぼやけたギターと忙しなく鳴るラッパがまたシューゲっぽくて良い。


8:The Visitors
1曲目以来のデスボ+楽器爆音でかき鳴らし+もはや無い拍子、はじめを忘れかけてた頭をメタルでぶん殴ってくる。死ぬほどうるさい(褒め言葉)し、今までの音量で聴いてると耳がボコボコにされる。1曲目同じく、聴いてる人に強く自分たちを印象付ける曲だなと思いました。何より最後の音が割れた笑い声が怖い。すっきり終わらせてくれないというか、予想をまた裏切られる感じで嫌でも印象に残る。


まとめ:ピンドラから入ると激しすぎてギャップにひっくり返りそうになります。ポップさは控えめ、一般受けではなくやりたいことをしました!というアルバム。曲調が似てるものが結構多いので、好きな人は好きだろうしし、ピンとこない人にとってはよくわからない印象を受けそう。いずれにせよ荒削りだと思いますが、その荒さが魅力なんだろうな。