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coaltar of the deepers 「The Visitors From Deepspace」感想

輪るピングドラムのEDや絶望先生の楽曲でも有名なNARASAKI氏の率いるバンド「coaltar of the deepers」のアルバムを借りてきたので感想。1stアルバムっぽいですね。The Visitors From Deepspaceってかっこよすぎか〜、深淵からの来訪者って厨二か〜って感じ。

 
 

1:Killing An Arab

必殺仕事人みたいなラッパの後にいきなりデスボイスでイントロの強烈ギャップ演出には文句なしでした(?)。正直これ聞いたあたりで、私はあまりメタルとかが得意ではないのもあって、アルバムを聴き通せるか不安だったんですが、わりとあっさり慣れました。つまりメタル聞かない人でもいける。
デスボイス出してるのもNARASAKIさんらしくて普段の歌声のギャップにもやられる。そしてラッパで終わり。アルバムジャケットの謎装束の来訪を思わせる曲でした。デスボイスオンリーなので他の曲より初聴きにはハードルが高いかも。どうも調べると他のアーティストの曲をアレンジしてるらしいです。どうでもいいけど曲名が物騒。
 

2:Amethyst

前より少しカラフルな曲になってくる。ギターがノイズノイズしてますけど、騒がしいながら1曲目より色彩豊かになります。
あとNARASAKIさんがデスボイス率を下げて普通に歌っているのでより聞きやすい。この少年みたいな声がやっぱりとっても良いですね!
メロディーとかはむしろ王道ロックバンドっぽくて、ここでディーパーズのハードルはぐっと下がるんじゃないかなあ。
ギターのノイジーな音もいいんですけど、ドラムが打ち込みかってくらいきっちり刻んでいるので気持ちいい。なんとなく金属音が目立つように聞こえます。
 
 

3:Your Melody

えっ曲変わったの?ってくらい方向性が似ている…。さらに色彩豊かになって、しかしノイジーさはむしろ増しているような。歪んだギターがバリバリ鳴ってるところにNARASAKIさんのふわふわした声が乗っかっているところが本当に良い。もう少しおとなしかったらシューゲイザーっぽいかもしれない。前曲よりは構成も単純でわかりやすい。
 
 

4:Earthing

えっ曲変わったの???(二度目)。リズムの取り方があんまり変わらないのもあって、イントロだけだと曲が変わったのかよくわからないです…。違いの分かる人なら分かるのかもしれない。
今度はボーカルが低くなって、またデスボイスもちらほら。ダーク感が増します。今までと曲調は似ていながら、ボーカルの高低を変えることで印象をかなり変えてきています。でも声が埋もれそうなのは変わらず。
そしてなぜか3分あたりから突然のホイッスル。15秒ほどサンバっぽくなって、気づくとまた元に戻っている。今まで通りふんふん聴いてると違和感が強いんですけど、飽きない工夫でもあるのかもしれない。
 
 

5:Summer Days

個人的一押し!ギターのアルペジオがいい感じに幻想的で入りからかっこいい。曲調はまあ、やっぱりわりと似てるんですけど…リズムの取り方なのかな…。
でも完成度というか、出来がいいと思います。メロディーも心なしかキャッチー。
ふわふわしたアルペジオがずっと鳴り続けながら、ふわふわしたボーカルが鳴る、このふわふわさが夏の陽炎に似ています。どこか現実感がないのでそれっぽく感じるのかも。ふわふわといっても可愛いふわふわというより、夢遊病に近い浮遊感。
 
 

6:Snow

夏の次がもう雪。曲調が今までとかなり変わっていて、まずBPMがゆったりします。
ギターも前曲に続き優しい音。ボーカルもデス要素なく優しい声。聞きやすいロキノンバンドのゆったりした曲っぽくもあり、でも声質とドラムの金属感とギターの音色がそれと差別化を図っているような曲。もしかしたら一番とっつきやすいかもしれない。夕方の電車に揺られながら聞きたい。
4分あたりから今までのノイジーさを思い出したように騒がしくなりつつ、今までの余韻がまだしっかり残っているのが良い。アナログだけどポストロックとかに方向性が似ているような感じです。ACIDMANにもほんのり似ているかも。
6分半あたりからは今までとも違った輪郭の掴めないノイズ+ほんのりとしたストリングスのような音、これがすごく吹雪を連想させる、前が何も見えないような感じを表していて好きです。これがフェードアウトしていくのもイメージに合っているし、この曲もかなり完成度が高くて聞きやすくていい。
 
 
また2曲目とかの雰囲気に戻る。もう、またかよ!!って感じなんですけど、楽器の音とかは前から引き継いでいるように感じられて、ただ騒がしいというよりは残響に近い。この辺もうばりばりシューゲイザーではないかと。サビに来るとそれも少し抜けちゃうんですが…。でもところどころでなるラッパがまたかっこいい。
2分あたりのドラムが目立つあたりがまた他曲との差別化を図っていて好きです。この辺ルミナスオレンジにも似てる。また硬い成分を入れてきたな!と思ってたら曲調が元に戻る。どうもこういう、途中で少しばかり違う雰囲気のフレーズを入れてから元に戻る構成の曲が多いような。
最後のNARASAKIさんの「Ah,Ah〜」って声と輪郭のぼやけたギターと忙しなく鳴るラッパがまたシューゲっぽくて良い。
 
 

8:The Visitors

1曲目以来のデスボ+楽器爆音でかき鳴らし+もはや無い拍子、はじめを忘れかけてた頭をメタルでぶん殴ってくる。死ぬほどうるさい(褒め言葉)し、今までの音量で聴いてると耳がボコボコにされる。1曲目同じく、聴いてる人に強く自分たちを印象付ける曲だなと思いました。何より最後の音が割れた笑い声が怖い。すっきり終わらせてくれないというか、予想をまた裏切られる感じで嫌でも印象に残る。
 
 

まとめ

ピンドラから入ると激しすぎてギャップにひっくり返りそうになります。ポップさは控えめ、一般受けではなくやりたいことをしました!というアルバム。
曲調が似てるものが結構多いので、好きな人は好きだろうしし、ピンとこない人にとってはよくわからない印象を受けそう。
いずれにせよ荒削りだと思いますが、その荒さが魅力でもあるのでしょう。